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アインシュタイン症候群 またの名を沈黙期 [外国語習得支援]

言語学や第二言語習得論の資料を読んでいて、私が特に心魅かれるのが「沈黙期(silent period)」です。だいたい一才半ぐらいから人は言葉を話し始めるそうですが、それが遅れる子供も時々います。「知恵遅れかしら」と親が心配していると、突然大人と同じきちんとした文法で話し始めて、周囲を驚かす、そんな子供の喋らない時期を「沈黙期」と呼びます。

沈黙期には色々な興味深いエピソードがあります。相対性理論で有名なアインシュタインにこの沈黙期があったことは有名で、おかげで沈黙期のことを「アインシュタイン症候群」と呼んだりもします。大道芸で有名な数学者ピーターフランクルにも沈黙期があったそうです。

2人の天才が並びましたが、もちろん沈黙期はこうした天才固有のものではありません。じつはバイリンガルの子供が2つ目の言語を習得する際にもよく見られる現象だそうです。こうした現象が起きる原因は良く分かりませんが、自意識の目覚め、思考力・観察力の向上など様々な要因があるのだと思います。

この沈黙期を保証した第二言語習得法もあります。
全身反応教授法(Total physical Response=TPR)といって、指導者は生徒に次のような命令を出します。
Stand up.
Sit down.
Walk to the blackboard.
Draw a picture of a flawer.
When the student on your right opens his book, tap your shoulder twice.
けっこう難しい文もありますね。そのかわりに無理に話をさせないのがポイントだそうです。これは沈黙期(silent period)を保証するためです。「自分の頭で、自分のペースで考えること」はどんな学習でも大事なことですが、言語学習はすぐには結果が出にくいため、早急な評価は学習意欲の低下を招く可能性があります。また、インプットが不十分な状態でアウトプットを求めると生徒の頭の中が混乱する可能性もあります。そうならない様に「行動」という人類共通のアウトプットを使ってコミュニケーションを取って行くのでしょう。この教授法はオーディオリンガル法という古典的な教授法の3倍のスピードで上達するそうです。

こうした話を見聞きすると私のような無口な人間は励まされます。「積極的に話せ」とか「間違いを恐れるな」とか、これまでの語学学習ではアウトプットを強要するような指導が多かったのですが、沈黙期はそれらに対するアンチテーゼです。無口な人間も自分に合った学習法を探して良いのです。

電子機器を使った学習はうちのアプリに限らず、全般的に「沈黙期の確保」に役立ちます。ただし、ゲーム系教材などで他人と競わせることでモチベーションを維持しようというタイプのアプリでは沈黙期を阻害する可能性もあります。(その辺は慎重に作られていると思いますが。)

うちのReTeMoロールプレイは「沈黙期を保証」するというより「沈黙期のためのアプリ」って感じです。何しろ本来、相手役がいないとできないはずの「お芝居形式」の練習まで1人でできる様にしてしまった上に、それを商品名にしてしまったのですから。もちろん仲間と一緒に頑張ることの良さはあるのですが、学習というのは元々個人的な活動です。自分の納得できる方法で学んで行きましょう。

そうそう、この「超深呼吸」というブログもディープな思考をアウトプットするためのスペースです。このところ連続更新していましたが、それは沈黙期に書き貯めたものをアウトプットしただけで、そろそろストックも尽きてきました。少なくともReTeMoロールプレイ関連は似たことの繰返しになるでしょうね。ですので近々、沈黙期に移行する予定です。(笑)

何はともあれ、宣伝宣伝!
沈黙期を充実させる語学用オーディオプレーヤ「ReTeMoロールプレイ」App Storeにて販売中。

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