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ソフトウェア工学には頭脳が足りない [ソフトウェア工学]

「ソフトウェア工学には頭脳が足りない」
ソフトウェア工学に人生を捧げている偉大な先生たちが聞いたら怒り心頭で、私を社会的に抹殺しようと方々に圧力をかけそうなフレーズだが(実際にはたぶん黙殺されるだけだろう)本当に言いたい事は「ソフトウェア工学、とりわけオブジェクト指向やUMLなどの著名な方法論の多くには“頭脳と方法の混同”が見うけられる」ということだ。たぶん、こう表現しても大抵の人は「何言いたいんだか分かんないや」とスルーして、問題提起されている事にすら気付かないだろう。だから敢えてケンカを売っている様なフレーズが必要になる。大事なことだからもう一度言おう。「ソフトウェア工学には頭脳が足りない」

頭脳が足りないかどうか調べるのは簡単だ。各方法論の一連の要素だけで「判断」が記述できるだろうか?もし判断の記述ができないなら、その方法論には頭脳が足りない。あるいはPDC(Plan, Do, Check)プロセスが回せるか見てみれば良い。もし、判断(Plan)と実行(Do)で同じ要素を使うようなら「頭脳と方法の混同」が起こっている。

例えばクラス図はどうだろう?関数内に判断を含める事はできる。でも関数は操作にも使うから、どうも混同が起きているっぽい。実際その通りで、操作とは"ある方法"を実行することだから、判断と操作の両方が関数に含まれている時点で頭脳と方法の混同が起きていることがわかる。

じゃあ、ユースケースはどうだろう?「アクターはPDC全部できるよ」とトンチで答える人もいるだろうが、それはつまり全部混同してるってことだ。まあそれは置いとくとしても、ユースケース図ではやはり頭脳に相当するのはアクターだけであり、判断を行う要素がシステムの外部にしか記述できない。つまり頭脳が足りない。

さて事例はこれぐらいにして、そろそろ「頭脳と方法の混同」とPDCプロセスに何の関係があるのかを明らかにしよう。
PDCプロセスの「Plan, Do, Check」は、それぞれを遂行するために「頭脳、スキル(方法)、フィジカル」を必要とする。PDCプロセスは本来は人の活動に適用される物だが、べつにソフトウェアに適用しちゃいけないわけじゃない。例えば囲碁やらチェスやらリバーシといった頭脳ゲームのコンピュータプレーヤーはこれらのプロセスを立派に回している。言換えればこれらは「頭脳、スキル、フィジカル」に該当する要素を内包している。

ところがこれをソフトウェア工学に適用しようとすると雲行きが怪しくなる。例えばUML1.xでは1つの図で「頭脳、スキル、フィジカル」に該当する要素がきちんと揃っている物がなかった。特に頭脳要素の欠落や混同が目立つ。頭脳要素を表現できているのはステートチャート図(2.xではステートマシン図)とアクティビティ図という伝統的な2つの図のみで、2.xになってようやくシーケンス図で複合フラグメントを使って制御構造を表せる様になり、全要素がそろった図が出てきたが、本来これらは処理の詳細を表す図なので全要素が表現できて当然なのだ。相変わらずクラス図やユースケース図の様な大局を見る図では頭脳と方法の混同が続いている。頭脳役のクラスやオブジェクトがいれば話は別だが、それでは設計メソッドが頭脳を表現できている事には成らない。

もちろん一部の図だけを使うわけではないから、こうした事は実用上は問題にならない。なのだが、頭脳要素が一番欠落していて、しかも頭脳要素を表現できるのが伝統的な図のみ(シーケンス図も古くからある)というのはソフトウェア工学の進化の方向性を疑いたくなる様な事態だ。どうしてこういうことになったのだろう?

そもそも、細かいコーディング時には「条件分岐」と「操作」を分けて書かない。これは明らかに頭脳要素と方法要素の混同だが、これがソフトウェア工学の方法論でも「頭脳と方法の混同」を招いている原因だろうか?。たぶん、それもあるだろう。それから「変数」や「関数」は宣言するのに「条件」や「イベント」を宣言しない事が「頭脳欠落」の原因であるとも言える。それとも「オブジェクト指向だから脳が無くて当り前」?ウィットの効いた意見だが、これはこれでなかなか的を射ている。でも、もっと根深い問題もある。

ソフトウェア工学の歴史は、人に「判断」を書かせないための歴史でもある。例えば関数呼出し(構造化設計からある)の背後にはコールスタック関連の処理が隠れているし、仮想関数にはポリモーフィズム処理が隠れている。イベント処理も然り。このようにベースシステムが頭脳役を担ってコーダが判断処理を極力書かずに済む様にソフトウェア工学は進化してきた。人の論理思考力はコンピュータに遠く及ばないから、この進化自体は間違ってはいない。しかしながら、表の「使い方(言換えればスキル)」と裏の「自動処理」は表裏一体だから、ここでスキルと頭脳の一体化、裏を返せば「混同」が起る。

そんな中でイベント処理が他と違っていたのは、「ユーザーの判断」をイベントという形でシンボル化した事にある。イベント処理はMVCモデルでViewと他の結合を緩めるために「キュー処理」を進化させた物だ。本来はユーザーの操作をシンボル化したのがイベントなのだが、このユーザーの操作にはどうしてもユーザーの意図が含まれるし、処理する側もユーザーの意図が何なのかを意識する必要があった。

この様にしてイベント処理は図らずも、それまでのソフトウェア工学の進化が「頭脳とスキルの混同」という副作用をはらんでいた事を対比的に鮮鋭化させてしまう。イベントが、人にとって判断の象徴に成りうるのは明らかだ。何しろイベントだけで制御処理を行う「イベント駆動言語」だって作れてしまう。この事からもイベントがフレキシブルな頭脳要素であることが想像できる。

ただ、現状のプログラミング言語やソフトウェア工学に慣れててしまっている人々の目にはイベントが異質で分かりづらい物にしか映らなかった。
そして、クラス・リファレンスには必ず発信イベントが書かれる時代になったのに、UMLのクラス図には未だにイベントがない。他にもソフトウェアに新たな頭脳要素をもたらす技術はたくさん登場したが、その大半が人工知能というカテゴリーで括られて、特殊な物として扱われている。これはすごく勿体ない事だ。

そしてソフトウェア工学界の技術(Skills*)偏重は、とうとうSOA(サービス指向アーキテクチャ)に至る。「サービス」というのはスキルが表に出たときの名前だ。スキルを行使すればそれは「サービス」となる。実際、SOAの扱いは関数にそっくりだ。関数は実行を担っており、「頭脳、スキル、フィジカル」の中では主に「スキル」に相当する。(*Technologyの方の技術なら偏重するのが普通だから話題にならない。)

話をSOAに戻そう。このSOA技術(Technology)とBPM(ビジネス・プロセス・マネージメント)を組み合わせれば、ビジネスパーソンが自社の業務に合ったシステムを自分たちで組めてしまう。もちろん彼らは専門教育を受けるがプログラマーに成るわけじゃない。BPMに使用するのはフロー図であり、所謂MDA(モデル駆動アーキテクチャ)の最先端事例だ。これはこれでスゴい事だが、ここで注目してほしいのはBPMの中身だ。名前から分かる様にBPMは業務プロセスを記述するためにある。そして今日、業務プロセスの基本と呼ばれているのはPDCの応用であるPDCAである。PDCの再登場だ。ついでに言えば、業務プロセスを記述することは、スケジュールの雛形を作るという事であり、Planningしてるのと同じだ。もっと言えば、BPMシステムがSOAのモジュールを呼び出す時にはBPMは頭脳として働いている!何やら面白いことになってきた。

さて、折角だからBPMの中で頭脳要素がどう扱われているか見てみよう。
BPMに使用する言語はBPIL等数種類あるが、パッと見、中に書かれた頭脳要素は「条件分岐」だけで、フローチャートの流れを汲んだ図に見える。もちろん「人」と「他システム」も含まれているが、これらはBPMシステムの頭脳ではない。でも大丈夫、「イベント」もプロセスの起動に使われている。このイベントの制限的な利用が私には不満だが、少なくともUMLに比べればマシだ。

(個人的にはUMLでもクラス図やユースケース図のように使用頻度の高く、基点に成る図には「頭脳要素」を盛り込んでほしいと思う。具体的には両図に「イベント」を追加するだけでも良い。)

さて、SOAで行き着くところまで行った感があるスキル偏重はこれからどうなるのであろうか?たぶんサービス指向に形を変えて、益々発展していくだろう。ただし、そのサービスの高度化には自動化が不可欠だ。では、自動化は今のまま「条件分岐」と「イベント」の組合わせや、人工知能等として実装していくのだろうか?それとも「ゴール指向」の様な方法論を発展させ、新たなプログラミング言語を作って頭脳要素を増やしていくのであろうか?できれば後者であってほしい。

いずれにしてもこれだけは言える。まだまだ「ソフトウェア工学には頭脳が足りない。」

続編について


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ReTeMoロールプレイ用の新ブログ「今日の反復文」 [外国語習得支援]

「今日の反復文」というタイトルで新しいブログを立てました。
http://repeatsentencetoday.blog.so-net.ne.jp/

主にReTeMoロールプレイのPR用ですね。でも、表向きは「英語学習の苦労を皆さんと共有する」という目的を掲げます。

実際、私自身がReTeMoロールプレイの最初のユーザーですから日々使っております。(結構サボりますが)そうした中で感じたことを書いて行きたいのですが、ここは他の記事がディープすぎて読者がカブりそうにありません。(笑)まあ、ReTeMo本体等のソフト開発とかプレゼンとか経営とか、深みにはまりそうなネタばっかりですからね。

英語もハマればディープだけど、それでもここのネタ層とカブって無いのは確かです。だから別に立てることにしました。

最初に書いた日誌は1文の紹介ですが、ネタになりそうなら、ロールプレイ再生を使った話や、母国語スキップをした話も書きます。でもロールプレイ再生や母国語スキップって影響範囲が大きくて、例文を全文載せると著作権に抵触する可能性も出てきますから、ちょっと紹介しづらいかもしれません。
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アインシュタイン症候群 またの名を沈黙期 [外国語習得支援]

言語学や第二言語習得論の資料を読んでいて、私が特に心魅かれるのが「沈黙期(silent period)」です。だいたい一才半ぐらいから人は言葉を話し始めるそうですが、それが遅れる子供も時々います。「知恵遅れかしら」と親が心配していると、突然大人と同じきちんとした文法で話し始めて、周囲を驚かす、そんな子供の喋らない時期を「沈黙期」と呼びます。

沈黙期には色々な興味深いエピソードがあります。相対性理論で有名なアインシュタインにこの沈黙期があったことは有名で、おかげで沈黙期のことを「アインシュタイン症候群」と呼んだりもします。大道芸で有名な数学者ピーターフランクルにも沈黙期があったそうです。

2人の天才が並びましたが、もちろん沈黙期はこうした天才固有のものではありません。じつはバイリンガルの子供が2つ目の言語を習得する際にもよく見られる現象だそうです。こうした現象が起きる原因は良く分かりませんが、自意識の目覚め、思考力・観察力の向上など様々な要因があるのだと思います。

この沈黙期を保証した第二言語習得法もあります。
全身反応教授法(Total physical Response=TPR)といって、指導者は生徒に次のような命令を出します。
Stand up.
Sit down.
Walk to the blackboard.
Draw a picture of a flawer.
When the student on your right opens his book, tap your shoulder twice.
けっこう難しい文もありますね。そのかわりに無理に話をさせないのがポイントだそうです。これは沈黙期(silent period)を保証するためです。「自分の頭で、自分のペースで考えること」はどんな学習でも大事なことですが、言語学習はすぐには結果が出にくいため、早急な評価は学習意欲の低下を招く可能性があります。また、インプットが不十分な状態でアウトプットを求めると生徒の頭の中が混乱する可能性もあります。そうならない様に「行動」という人類共通のアウトプットを使ってコミュニケーションを取って行くのでしょう。この教授法はオーディオリンガル法という古典的な教授法の3倍のスピードで上達するそうです。

こうした話を見聞きすると私のような無口な人間は励まされます。「積極的に話せ」とか「間違いを恐れるな」とか、これまでの語学学習ではアウトプットを強要するような指導が多かったのですが、沈黙期はそれらに対するアンチテーゼです。無口な人間も自分に合った学習法を探して良いのです。

電子機器を使った学習はうちのアプリに限らず、全般的に「沈黙期の確保」に役立ちます。ただし、ゲーム系教材などで他人と競わせることでモチベーションを維持しようというタイプのアプリでは沈黙期を阻害する可能性もあります。(その辺は慎重に作られていると思いますが。)

うちのReTeMoロールプレイは「沈黙期を保証」するというより「沈黙期のためのアプリ」って感じです。何しろ本来、相手役がいないとできないはずの「お芝居形式」の練習まで1人でできる様にしてしまった上に、それを商品名にしてしまったのですから。もちろん仲間と一緒に頑張ることの良さはあるのですが、学習というのは元々個人的な活動です。自分の納得できる方法で学んで行きましょう。

そうそう、この「超深呼吸」というブログもディープな思考をアウトプットするためのスペースです。このところ連続更新していましたが、それは沈黙期に書き貯めたものをアウトプットしただけで、そろそろストックも尽きてきました。少なくともReTeMoロールプレイ関連は似たことの繰返しになるでしょうね。ですので近々、沈黙期に移行する予定です。(笑)

何はともあれ、宣伝宣伝!
沈黙期を充実させる語学用オーディオプレーヤ「ReTeMoロールプレイ」App Storeにて販売中。

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イソップ物語(ReTeMoロールプレイ用テキストのサンプル) [外国語習得支援]

フリーオーディオブックサイト
http://www.booksshouldbefree.com/
の中から「イソップ物語(Aesop's fables)」
http://www.booksshouldbefree.com/book/aesops-fables-volume-1-fables-1-25
http://www.booksshouldbefree.com/book/Aesops-Fables-2
の序盤(31/284)をReTeMoロールプレイ用に整形してみました。M4bなりポッドキャストを「オーディオブック」に変換した後で、各トラックに「歌詞」としてコピペしてください。
※細かい説明はサポートページ取扱説明(番外編)をご覧ください。

イソップ物語を選んだのは1話1話が短かったからですが、そのぶん耳慣れない言葉が使われてますね。ちょっと食い応えがありすぎるかも。

いずれにしても、全部コピーしようとか無理をせず、興味があるものだけコピペするのが大事です。
その後には面倒な時間位置合わせが待ってますから。(汗)
(早くlrc形式をサポートしたい今日この頃)

なお、もとのテキストファイルはオーディオブックのダウンロードページの下の方にある「Gutenberg e-text」
http://www.gutenberg.org/ebooks/11339
にあります。これは、どのオーディオブックでも同じです。

【注意】
LibriVoxプロジェクト製のオーディオブックだと、必ず下記のintroduceから始まります。

"This is a LibriVox recording. All LibriVox recordings are in the public domain. For more information or to volunteer. Please visit : librivox.org."
その後に
"Recording by [volunteer's name]"
が大抵入ります。

本編は
"[book name]" か"[chapter name]"
で始まり
"End of chapter [X]" か"End of [book name]"
で終わります。
iTunesで歌詞を入力する際にこれらも入れておけば、位置調整が少しは楽になります。

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Contents
※オレンジ色のタイトルは音質に問題あり

THE FOX AND THE GRAPES
THE GOOSE THAT LAID THE GOLDEN EGGS
THE CAT AND THE MICE
THE MISCHIEVOUS DOG
THE CHARCOAL-BURNER AND THE FULLER
THE MICE IN COUNCIL
THE BAT AND THE WEASELS
THE DOG AND THE SOW

THE FOX AND THE CROW
THE HORSE AND THE GROOM
THE WOLF AND THE LAMB
THE PEACOCK AND THE CRANE
THE CAT AND THE BIRDS

THE SPENDTHRIFT AND THE SWALLOW
THE OLD WOMAN AND THE DOCTOR
THE MOON AND HER MOTHER
MERCURY AND THE WOODMAN
THE ASS, THE FOX, AND THE LION

THE LION AND THE MOUSE
THE CROW AND THE PITCHER
THE BOYS AND THE FROGS

THE NORTH WIND AND THE SUN
THE MISTRESS AND HER SERVANTS
THE GOODS AND THE ILLS
THE HARES AND THE FROGS
THE FOX AND THE STORK
THE WOLF IN SHEEP'S CLOTHING
THE STAG IN THE OX-STALL
THE MILKMAID AND HER PAIL
THE DOLPHINS, THE WHALES, AND THE SPRAT

THE FOX AND THE MONKEY

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THE FOX AND THE GRAPES

A hungry Fox saw some fine bunches of Grapes hanging from a vine that was trained along a high trellis,
and did his best to reach them by jumping as high as he could into the air.
But it was all in vain, for they were just out of reach: so he gave up trying,
and walked away with an air of dignity and unconcern, remarking,
(Fox) "I thought those Grapes were ripe,
but I see now they are quite sour."




THE GOOSE THAT LAID THE GOLDEN EGGS

A Man and his Wife had the good fortune to possess a Goose which laid a Golden Egg every day.
Lucky though they were, they soon began to think they were not getting rich fast enough, and, imagining the bird must be made of gold inside, they decided to kill it in order to secure the whole store of precious metal at once.
But when they cut it open they found it was just like any other goose.
Thus, they neither got rich all at once, as they had hoped, nor enjoyed any longer the daily addition to their wealth.
Much wants more and loses all.




THE CAT AND THE MICE

(Story)There was once a house that was overrun with Mice.
A Cat heard of this, and said to herself,
(Cat)"That's the place for me,"
(Story)and off she went and took up her quarters in the house, and caught the Mice one by one and ate them.
At last the Mice could stand it no longer, and they determined to take to their holes and stay there.
(Cat)"That's awkward,"
(Story)said the Cat to herself:
(Cat)"the only thing to do is to coax them out by a trick."
(Story)So she considered a while, and then climbed up the wall and let herself hang down by her hind legs from a peg, and pretended to be dead.
By and by a Mouse peeped out and saw the Cat hanging there.
(Mouse)"Aha!"
(Story)it cried,
(Mouse)"you're very clever, madam, no doubt: but you may turn yourself into a bag of meal hanging there, if you like,
yet you won't catch us coming anywhere near you."
(Story) If you are wise you won't be deceived by the innocent airs of those whom you have once found to be dangerous.



THE MISCHIEVOUS DOG

There was once a Dog who used to snap at people and bite them without any provocation,
and who was a great nuisance to every one who came to his master's house.
So his master fastened a bell round his neck to warn people of his presence.
The Dog was very proud of the bell, and strutted about tinkling it with immense satisfaction.
But an old dog came up to him and said,
(Old dog)"The fewer airs you give yourself the better, my friend.
You don't think, do you, that your bell was given you as a reward of merit?
On the contrary, it is a badge of disgrace."
Notoriety is often mistaken for fame.



THE CHARCOAL-BURNER AND THE FULLER

(Story)There was once a Charcoal-burner who lived and worked by himself.
A Fuller, however, happened to come and settle in the same neighbourhood;
and the Charcoal-burner, having made his acquaintance and finding he was an agreeable sort of fellow,
asked him if he would come and share his house:
(the Charcoal-burner)"We shall get to know one another better that way,"
(Story)he said,
(the Charcoal-burner)"and, beside, our household expenses will be diminished."
(Story)The Fuller thanked him, but replied,
(The Fuller)"I couldn't think of it, sir:
why, everything I take such pains to whiten would be blackened in no time by your charcoal."



THE MICE IN COUNCIL

(Story)Once upon a time all the Mice met together in Council,
and discussed the best means of securing themselves against the attacks of the cat.
After several suggestions had been debated, a Mouse of some standing and experience got up and said,
(Mouse)"I think I have hit upon a plan which will ensure our safety in the future,
provided you approve and carry it out.
It is that we should fasten a bell round the neck of our enemy the cat, which will by its tinkling warn us of her approach."
(Story)This proposal was warmly applauded, and it had been already decided to adopt it, when an old Mouse got upon his feet and said,
(Old mouse)"I agree with you all that the plan before us is an admirable one: but may I ask who is going to bell the cat?"



THE BAT AND THE WEASELS

(Story)A Bat fell to the ground and was caught by a Weasel, and was just going to be killed and eaten when it begged to be let go.
The Weasel said he couldn't do that because he was an enemy of all birds on principle.
(Bat)"Oh, but,"
(Story)said the Bat,
(Bat)"I'm not a bird at all: I'm a mouse."
(Weasel)"So you are,"
(Story)said the Weasel,
(Weasel)"now I come to look at you";
(Story)and he let it go.
Some time after this the Bat was caught in just the same way by another Weasel, and, as before, begged for its life.
(Another weasel)"No,"
(Story)said the Weasel,
(Another weasel)"I never let a mouse go by any chance."
(Bat)"But I'm not a mouse,"
(Story)said the Bat;
(Bat)"I'm a bird."
(Another weasel)"Why, so you are,"
(Story)said the Weasel; and he too let the Bat go.
Look and see which way the wind blows before you commit yourself.



THE DOG AND THE SOW

(Story)A Dog and a Sow were arguing and each claimed that its own young ones were finer than those of any other animal.
(The Sow)"Well,"
(Story)said the Sow at last,
(The Sow)"mine can see, at any rate, when they come into the world: but yours are born blind."



THE FOX AND THE CROW

(Story)A Crow was sitting on a branch of a tree with a piece of cheese in her beak when a Fox observed her and set his wits to work to discover some way of getting the cheese.
Coming and standing under the tree he looked up and said,
(Crow)"What a noble bird I see above me! Her beauty is without equal, the hue of her plumage exquisite.
If only her voice is as sweet as her looks are fair, she ought without doubt to be Queen of the Birds."
(Story)The Crow was hugely flattered by this, and just to show the Fox that she could sing she gave a loud caw.
Down came the cheese, of course, and the Fox, snatching it up, said,
(Fox)"You have a voice, madam, I see: what you want is wits."



THE HORSE AND THE GROOM

There was once a Groom who used to spend long hours clipping and combing the Horse of which he had charge,
but who daily stole a portion of his allowance of oats, and sold it for his own profit.
The Horse gradually got into worse and worse condition, and at last cried to the Groom,
(House)"If you really want me to look sleek and well, you must comb me less and feed me more."


THE WOLF AND THE LAMB

(Story)A Wolf came upon a Lamb straying from the flock,
and felt some compunction about taking the life of so helpless a creature without some plausible excuse;
so he cast about for a grievance and said at last,
(Wolf)"Last year, sirrah, you grossly insulted me."
(Lamb)"That is impossible, sir,"
(Story)bleated the Lamb,
(Lamb)"for I wasn't born then."
(Wolf)"Well,"
(Story)retorted the Wolf,
(Wolf)"you feed in my pastures."
(Lamb)"That cannot be,"
(Story)replied the Lamb,
(Lamb)"for I have never yet tasted grass."
(Wolf)"You drink from my spring, then,"
(Story)continued the Wolf.
(Lamb)"Indeed, sir,"
(Story)said the poor Lamb,
(Lamb)"I have never yet drunk anything but my mother's milk."
(Wolf)"Well, anyhow,"
(Story)said the Wolf,
(Wolf)"I'm not going without my dinner":
(Story)and he sprang upon the Lamb and devoured it without more ado.



THE PEACOCK AND THE CRANE

(Story)A Peacock taunted a Crane with the dullness of her plumage.
(Peacock)"Look at my brilliant colours,"
(Story)said she,
(Peacock)"and see how much finer they are than your poor feathers."
(Crane)"I am not denying,"
(Story)replied the Crane,
(Crane)"that yours are far gayer than mine; but when it comes to flying I can soar into the clouds,
whereas you are confined to the earth like any dunghill cock."


THE CAT AND THE BIRDS

(Story)A Cat heard that the Birds in an aviary were ailing.
So he got himself up as a doctor, and, taking with him a set of the instruments proper to his profession,
presented himself at the door, and inquired after the health of the Birds.
(Birds)"We shall do very well,"
(Story)they replied,
without letting him in,
(Birds)"when we've seen the last of you."
(Story) A villain may disguise himself, but he will not deceive the wise.


THE SPENDTHRIFT AND THE SWALLOW

(Story) A Spendthrift, who had wasted his fortune,
and had nothing left but the clothes in which he stood, saw a Swallow one fine day in early spring.
Thinking that summer had come, and that he could now do without his coat,
he went and sold it for what it would fetch.
A change, however, took place in the weather, and there came a sharp frost which killed the unfortunate Swallow.
When the Spendthrift saw its dead body he cried,
(Spendthrift)"Miserable bird! Thanks to you I am perishing of cold myself."
(Story) One swallow does not make summer.



THE OLD WOMAN AND THE DOCTOR

(Story) An Old Woman became almost totally blind from a disease of the eyes, and, after consulting a Doctor,
made an agreement with him in the presence of witnesses that she should pay him a high fee if he cured her,
while if he failed he was to receive nothing.
The Doctor accordingly prescribed a course of treatment,
and every time he paid her a visit he took away with him some article out of the house,
until at last, when he visited her for the last time, and the cure was complete, there was nothing left.
When the Old Woman saw that the house was empty she refused to pay him his fee;
and, after repeated refusals on her part, he sued her before the magistrates for payment of her debt.
On being brought into court she was ready with her defence.
(Old woman)"The claimant,"
(Story) said she,
(Old woman)"has stated the facts about our agreement correctly.
I undertook to pay him a fee if he cured me, and he, on his part, promised to charge nothing if he failed.
Now, he says I am cured; but I say that I am blinder than ever, and I can prove what I say.
When my eyes were bad I could at any rate see well enough to be aware that my house contained a certain amount of furniture and other things; but now,
when according to him I am cured, I am entirely unable to see anything there at all."



THE MOON AND HER MOTHER

(Story)The Moon once begged her Mother to make her a gown.
(Mother)"How can I?"
(Story)replied she;
(Mother)"there's no fitting your figure.
At one time you're a New Moon, and at another you're a Full Moon; and between whiles you're neither one nor the other."


MERCURY AND THE WOODMAN

(Story)A Woodman was felling a tree on the bank of a river, when his axe,
glancing off the trunk, flew out of his hands and fell into the water.
As he stood by the water's edge lamenting his loss, Mercury appeared and asked him the reason for his grief;
and on learning what had happened,
out of pity for his distress he dived into the river and,
bringing up a golden axe, asked him if that was the one he had lost.
The Woodman replied that it was not, and Mercury then dived a second time, and, bringing up a silver axe, asked if that was his.
(the Woodman)"No, that is not mine either,"
(Story)said the Woodman.
Once more Mercury dived into the river, and brought up the missing axe.
The Woodman was overjoyed at recovering his property, and thanked his benefactor warmly;
and the latter was so pleased with his honesty that he made him a present of the other two axes.
When the Woodman told the story to his companions,
one of these was filled with envy of his good fortune and determined to try his luck for himself.
So he went and began to fell a tree at the edge of the river, and presently contrived to let his axe drop into the water.
Mercury appeared as before, and, on learning that his axe had fallen in, he dived and brought up a golden axe, as he had
done on the previous occasion.
Without waiting to be asked whether it was his or not the fellow cried,
(A companion)"That's mine, that's mine,"
(Story)and stretched out his hand eagerly for the prize: but Mercury was so disgusted at his dishonesty that he not only declined to give him the golden axe, but also refused to recover for him the one he had let fall into the stream.
Honesty is the best policy.



THE ASS, THE FOX, AND THE LION

(Story)An Ass and a Fox went into partnership and sallied out to forage for food together.
They hadn't gone far before they saw a Lion coming their way, at which they were both dreadfully frightened.
But the Fox thought he saw a way of saving his own skin, and went boldly up to the Lion and whispered in his ear,
(The Fox)"I'll manage that you shall get hold of the Ass without the trouble of stalking him, if you'll promise to let me go free."
(Story)The Lion agreed to this, and the Fox then rejoined his companion and contrived before long to lead him by a hidden pit, which some hunter had dug as a trap for wild animals, and into which he fell.
When the Lion saw that the Ass was safely caught and couldn't get away,
it was to the Fox that he first turned his attention,
and he soon finished him off, and then at his leisure proceeded to feast upon the Ass.
Betray a friend, and you'll often find you have ruined yourself.


THE LION AND THE MOUSE

(Story)A Lion asleep in his lair was waked up by a Mouse running over his face.
Losing his temper he seized it with his paw and was about to kill it.
The Mouse, terrified, piteously entreated him to spare its life.
(The Mouse)"Please let me go,"
(Story)it cried,
(The Mouse)"and one day I will repay you for your kindness."
(Story)The idea of so insignificant a creature ever being able to do anything for him amused the Lion so much that he laughed
aloud, and good-humouredly let it go.
But the Mouse's chance came, after all.
One day the Lion got entangled in a net which had been spread for game by some hunters, and the Mouse heard and recognised his roars of anger and ran to the spot.
Without more ado it set to work to gnaw the ropes with its teeth, and succeeded before long in setting the Lion free.
(The Mouse)"There!"
(Story)said the Mouse,
(The Mouse)"you laughed at me when I promised I would repay you: but now you see, even a Mouse can help a Lion."



THE CROW AND THE PITCHER

A thirsty Crow found a Pitcher with some water in it, but so little was there that, try as she might, she could not reach it with her beak, and it seemed as though she would die of thirst within sight of the remedy.
At last she hit upon a clever plan.
She began dropping pebbles into the Pitcher, and with each pebble the water rose a little higher until at last it reached the brim, and the knowing bird was enabled to quench her thirst.
Necessity is the mother of invention.



THE BOYS AND THE FROGS

Some mischievous Boys were playing on the edge of a pond, and, catching sight of some Frogs swimming about in the shallow water, they began to amuse themselves by pelting them with stones, and they killed several of them.
At last one of the Frogs put his head out of the water and said,
(A Frog)"Oh, stop! stop! I beg of you: what is sport to you is death to us."


THE NORTH WIND AND THE SUN

A dispute arose between the North Wind and the Sun, each claiming that he was stronger than the other.
At last they agreed to try their powers upon a traveller, to see which could soonest strip him of his cloak.
The North Wind had the first try; and, gathering up all his force for the attack, he came whirling furiously down upon the man,
and caught up his cloak as though he would wrest it from him by one single effort: but the harder he blew, the more closely the man wrapped it round himself.
Then came the turn of the Sun.
At first he beamed gently upon the traveller, who soon unclasped his cloak and walked on with it hanging loosely about his shoulders: then he shone forth in his full strength, and the man, before he had gone many steps, was glad to throw his cloak right off and complete his journey more lightly clad.
Persuasion is better than force




THE MISTRESS AND HER SERVANTS

A Widow, thrifty and industrious, had two servants, whom she kept pretty hard at work.
They were not allowed to lie long abed in the mornings, but the old lady had them up and doing as soon as the cock crew.
They disliked intensely having to get up at such an hour,
especially in winter-time: and they thought that if it were not for the cock waking up their Mistress so horribly early, they could sleep longer.
So they caught it and wrung its neck.
But they weren't prepared for the consequences.
For what happened was that their Mistress, not hearing the cock crow as usual, waked them up earlier than ever, and set them to work in the middle of the night.



THE GOODS AND THE ILLS

There was a time in the youth of the world when Goods and Ills entered equally into the concerns of men, so that the Goods did not prevail to make them altogether blessed, nor the Ills to make them wholly miserable.
But owing to the foolishness of mankind the Ills multiplied greatly in number and increased in strength, until it seemed as though they would deprive the Goods of all share in human affairs, and banish them from the earth.
The latter, therefore, betook themselves to heaven and complained to Jupiter of the treatment they had received,
at the same time praying him to grant them protection from the Ills,
and to advise them concerning the manner of their intercourse with men.
Jupiter granted their request for protection, and decreed that for the future they should not go among men openly in a body,
and so be liable to attack from the hostile Ills, but singly and unobserved, and at infrequent and unexpected intervals.
Hence it is that the earth is full of Ills, for they come and go as they please and are never far away;
while Goods, alas! come one by one only, and have to travel all the way from heaven, so that they are very seldom seen.



THE HARES AND THE FROGS

The Hares once gathered together and lamented the unhappiness of their lot, exposed as they were to dangers on all sides and lacking the strength and the courage to hold their own.
Men, dogs, birds and beasts of prey were all their enemies, and killed and devoured them daily:
and sooner than endure such persecution any longer,
they one and all determined to end their miserable lives.
Thus resolved and desperate, they rushed in a body towards a neighbouring pool, intending to drown themselves.
On the bank were sitting a number of Frogs, who, when they heard the noise of the Hares as they ran, with one accord leaped into the water and hid themselves in the depths.
Then one of the older Hares who was wiser than the rest cried out to his companions,
(Older Hare)"Stop, my friends, take heart; don't let us destroy ourselves after all:
see, here are creatures who are afraid of us,
and who must, therefore, be still more timid than ourselves."



THE FOX AND THE STORK

A Fox invited a Stork to dinner, at which the only fare provided was a large flat dish of soup.
The Fox lapped it up with great relish, but the Stork with her long bill tried in vain to partake of the savoury broth.
Her evident distress caused the sly Fox much amusement.
But not long after the Stork invited him in turn, and set before him a pitcher with a long and narrow neck, into which she could get her bill with ease.
Thus, while she enjoyed her dinner, the Fox sat by hungry and helpless, for it was impossible for him to reach the tempting contents of the vessel.




THE WOLF IN SHEEP'S CLOTHING

A Wolf resolved to disguise himself in order that he might prey upon a flock of sheep without fear of detection.
So he clothed himself in a sheepskin, and slipped among the sheep when they were out at pasture.
He completely deceived the shepherd, and when the flock was penned for the night he was shut in with the rest.
But that very night as it happened, the shepherd, requiring a supply of mutton for the table,
laid hands on the Wolf in mistake for a Sheep, and killed him with his knife on the spot.



THE STAG IN THE OX-STALL

(Story)A Stag, chased from his lair by the hounds, took refuge in a farmyard,
and, entering a stable where a number of oxen were stalled,
thrust himself under a pile of hay in a vacant stall, where he lay concealed,
all but the tips of his horns.
Presently one of the Oxen said to him,
(The Ox)"What has induced you to come in here? Aren't you aware of the risk you are running of being captured by the herdsmen?"
(Story)To which he replied,
(The Stag)"Pray let me stay for the present.
When night comes I shall easily escape under cover of the dark."
(Story)In the course of the afternoon more than one of the farm-hands came in,
to attend to the wants of the cattle,
but not one of them noticed the presence of the Stag,
who accordingly began to congratulate himself on his escape and to express his gratitude to the Oxen.
(The Oxen)"We wish you well,"
(Story)said the one who had spoken before,
(The Oxen)"but you are not out of danger yet. If the master comes, you will certainly be found out, for nothing ever escapes his keen eyes."
(Story)Presently, sure enough, in he came, and made a great to-do about the way the Oxen were kept.
(The Master)"The beasts are starving,"
(Story)he cried;
(The Master)"here, give them more hay, and put plenty of litter under them."
(Story)As he spoke, he seized an armful himself from the pile where the Stag lay concealed, and at once detected him.
Calling his men, he had him seized at once and killed for the table.



THE MILKMAID AND HER PAIL

(Story)A farmer's daughter had been out to milk the cows, and was returning to the dairy carrying her pail of milk upon her head.
As she walked along, she fell a-musing after this fashion:
(The Milkmaid)"The milk in this pail will provide me with cream,
which I will make into butter and take to market to sell.
With the money I will buy a number of eggs, and these,
when hatched, will produce chickens, and by and by I shall have quite a large poultry-yard.
Then I shall sell some of my fowls, and with the money which they will bring in I will buy myself a new gown,
which I shall wear when I go to the fair; and all the young fellows will admire it,
and come and make love to me, but I shall toss my head and have nothing to say to them."
(Story)Forgetting all about the pail, and suiting the action to the word, she tossed her head.
Down went the pail, all the milk was spilled, and all her fine castles in the air vanished in a moment!
Do not count your chickens before they are hatched.



THE DOLPHINS, THE WHALES, AND THE SPRAT

The Dolphins quarrelled with the Whales, and before very long they began fighting with one another.
The battle was very fierce, and had lasted some time without any sign of coming to an end,
when a Sprat thought that perhaps he could stop it;
so he stepped in and tried to persuade them to give up fighting and make friends.
But one of the Dolphins said to him contemptuously,
(The Dolphin)"We would rather go on fighting till we're all killed than be reconciled by a Sprat like you!"


THE FOX AND THE MONKEY

(Story)A Fox and a Monkey were on the road together, and fell into a dispute as to which of the two was the better born.
They kept it up for some time, till they came to a place where the road passed through a cemetery full of monuments, when the Monkey stopped and looked about him and gave a great sigh.
(TheFox)"Why do you sigh?"
(Story)said the Fox.
The Monkey pointed to the tombs and replied,
(The Monkey)"All the monuments that you see here were put up in honour of my forefathers, who in their day were eminent men."
(Story)The Fox was speechless for a moment, but quickly recovering he said,
(The Fox)"Oh! don't stop at any lie, sir; you're quite safe:
I'm sure none of your ancestors will rise up and expose you."
(Story) Boasters brag most when they cannot be detected.

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プレスリリース没案(でも私の考えには一番近いのだ) [外国語習得支援]

さて、今日は没にした「プレスリリース案」を公開します。確かこれはどこにも送っていないはずです。没にしたのは長過ぎたからで、それをワザワザ公開するのはコマーシャリズムに毒されていない、私自身の考えに一番近い内容だと思ったからです。
(比較のために他の案も後から載せますが。w)

長いと言っても、いつものブログに比べれば短い方ですよ。
それでも、私が元々目指していたアプリ像が見えると思います。
「反復、反復」と騒ぎ始める前の、静かだけれど既存の語学アプリに対する明確な批評がここにあります。これもまた真実です。

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株式会社ReTeMoは自社開発したiOSアプリ「ReTeMo(レテモ)ロールプレイ」を8月5日付で販売開始いたしました。価格は250円(2.99米ドル)でApple社のApp Storeにて販売中です。

ReTeMoロールプレイはiPodライブラリに於ける最小単位である「トラック」をさらに細分化し、個々の区間にテキスト(歌詞に相当)やロール(役柄:アーティストに相当)といった属性を持たせるようにしたツールです。また、このツールは語学学習用(特に会話練習用)に開発したため、そのための機能も持っております。例えばロールアイコンをタップすれば各ロールの音声を消すことができ、その部分を自分でしゃべることができます。また、途中に挿入された日本語(母国語)による解説を飛ばして、学習している言語だけを聞くことが可能です。
丁寧に作り込まれた語学コンテンツと違って、自分で準備しなければならないことが多く、手間のかかるツールですが、他には無い自由度を提供します。また学校等ですでに教材が決まっている場合にも、その教材を取込んで活用できるので学習効果の向上に一役買います。

開発に至った経緯
ReTeMoロールプレイを開発した背景には、昨今の「語学学習向けソフトウェア市場の動向」と「外国語学習法の発展」があります。特にスマートフォン向けの語学アプリの勢いには目を見張るものがありますが、その多くはスマートフォン・アプリを新たな配信チャンネル、販売ルートと捉えた製品です。それを否定するつもりはありませんが、それはスマートフォン・アプリの可能性の一部に過ぎないと弊社は考えています。
例えば紙媒体の語学教材では時折、新しい学習方法を提唱する著者が登場します。彼らの書籍は多くの場合シリーズ化され、本の中にはたくさんの例文があふれています。シリーズが違えば当然載っている例文も違うので、市場にはさらに沢山の例文があふれることになります。しかし本来、学習方法は例文に縛られるようなものではありませんから、少ない例文を使って様々な学習メソッドを試し、自分に合った学習方法を探すことができて良いはずです。今日主流の出版社あるいは出版物にアプリケーションが分かれていて、それぞれの機能に学習方法が縛られるようではせっかくのスマートフォンが勿体ないと思うのです。
それから学習者がすでに持っている資産を活用できないのも勿体ない話です。私自身もそうですが語学を苦手とし(実際には練習嫌いなことが多いと思いますが)いくつもの学習法を渡り歩いてきた消費者の手元には勉強しかけの教材がたくさん存在しています。それをデジタル化して活用しないのは、資源や経済的な面のみならず脳中のオボロゲな記憶を活用しない点でも勿体ない。すでに自分の血肉に成っている教材を電子化する必要はありませんが、そうでないものは電子化することで得られる「音声とテキストの同期」など様々な学習支援を受けて、一度作り始めた脳内回路をそのまま完成させる方が近道のはずです。
こうした背景を基に開発されたReTeMoロールプレイは独自の語学コンテンツを持たず、代りにiPodライブラリ内のオーディオブックを利用します。既存の音声素材はiTunes経由で取込めますし、テキストデータも歌詞データとしてトラック毎に添付することができます。
そして最初のバージョンでは最も原始的で、かつ強力な学習方法をサポートします。「細かい単位での反復再生」や「ディクテーションにも使用できる全文入力」、「余計な音声を消して再生(その代わりに独力で発話)」と、いずれも能動的で負荷の高い学習のための機能ばかりです。
さて、これまで述べたようにReTeMoロールプレイは「デジタル技術の良さを最大限に引出すこと」と「学習法と教材を分離すること」を目標にしています。これは学習用の素材は自分で準備し、学習法も自分で工夫するということであり、現在主流の両者がセットになった教材に比べてユーザの負担は増えてしまいます。その代わりに、かつての語学学習法の提唱者達のように自分で自分の学習法を工夫することができます。彼らが使っていたであろうノートと鉛筆のように自由度の高いツールを、デジタルならでは機能を加えながら進化させていく所存です。

製品名:ReTeMoロールプレイ
ジャンル:教育、ユーティリティ
価格:250円(2.99 US$)
開発者:下平和久(株式会社ReTeMo)

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先日、ReTeMoロールプレイのサポートページを前面リニューアルしましたが、そこには「教材と学習法の分離」についての話が載っていません。

その代わりに具体的な使い方を沢山載せています。
ユーザーに取っては使用例の方が参考にしやすいとは思いますし、「反復」が語学用プレーヤーの重要な役割なのも事実ですから、今度のリニューアル自身はマズマズの出来です。

でも、「教材と学習法の分離」をこのまま葬るのはマズい気がするのです。
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ReTeMoロールプレイのボトルネック [外国語習得支援]

語学の反復練習用としては最強を自負しているReTeMoロールプレイですが、弱点が無い訳ではありません。
まだコンテンツを供給する仕組みを持たないのが最大の弱点でしょう。uListeningやiDaily Pro などアプリ内でコンテンツを取得できるアプリは、多聴多読系の学習にとても便利です。ただし、ReTeMoロールプレイが再生できるオーディオブック(将来バージョンではポッドキャストもサポート予定)もiTunes Store からオンラインで入手することができます。iPodライブラリから1トラックずつ読込む必要があるのが最大の難点ですが、独自に解析処理して台本データを生成している都合上、これは避けられないことです。将来的には台本データをアプリ内で入手できるようにして、そこからオーディオファイルを読みに行く順序にして、このボトルネックを解消したいと思います。(気の長い話ですが)

もっとも、現状でも悪いことばかりではありません。オーディオブックに自分で台本用の情報(文章や役柄等)を足す必要がありますが、難しい操作はないし、これも学習の一環ですから無駄な時間になりません。自分で作るというのはとても能動的な学習です。学習と思わずに学習するのだから良いと思いませんか?(ただし形式的な浅い学習になりがちですから、後でメッセージ内容をしっかり確認してください。)台本データをオンライン配信するようになっても、手動加工ならではの良さは残して行きたいですね。


それから250円という値段もネックでしょう。ボールペンを買うだけでもこれぐらい払うのですが、如何せん、まわりに「無料」という誘惑がたくさんあるし、コンテンツ込で350円ぐらいのアプリまであるから高く感じても仕方がありません。しかしReTeMoロールプレイで使用するオーディオブックはiTunesやiPodプレーヤでも使えますし、学習方法の自由度という点ではピカイチです。それに加えてディクテーションのテキスト入力までできるのですから、大抵これ1本で用が足ります。費用対効果で言えば倍の値段でもリーズナブルなぐらいです。英会話学校に通っていて、指定のCD教材がある場合はまさに打ってつけで、最高の相棒になってくれると思います。それにオーディオブックには著作権が切れた古典的名作の無料版がたくさんありますから、じつはコンテンツ課金で儲けるタイプのアプリよりコストパフォーマンスが良かったりします。(もちろん聞きたいコンテンツに依りますが)


また「倍速再生」もできません。正確に言うとiPodプレーヤと同じリソースを使っているのでiPodプレーヤ側で再生速度の変更を行うとReTeMoロールプレイでの再生速度も変化します。ただし、ReTeMoロールプレイ側のタイマー処理がそれと同期しないので全体としての再生時間は変わらず、同じところが繰返されたり、途中の再生を飛ばされたり不思議な挙動が発生します。この状況はさすがにマズいので現在開発中の次期バージョンでは「倍速再生」もサポートする予定です。(本当はアンドゥ機能より先に実装する予定だったんですけど)

時間位置の調整も微妙に面倒です。「前から順にやる」というコツを知らないと混乱する可能性大です。とくに前後のつながりが今のGUIだと見えにくいので、これは何とかしたいですね。

最後にあまりオープンにしたくないボトルネックの話をします。
それはソフトウェアの品質です。もちろん発売前にテストは十分しましたし、そもそも、あまりにヒドいアプリはAppleの審査を通りませんから、少なくとも一通りは問題なく使うことができます。ただし、時々変な挙動に遭遇することがあります。例えば再生画面を開いた状態で、他のアプリに切換えて、また戻ってきた時に音声の再生ができなくなることがあります。この症状は別のトラックを開くと直りますが、これは恐らく私がiOS端末でのプログラミング・スタイルに慣れていない性で仕込んでしまったバグです。使えないわけじゃないけど、ちょっと戸惑ってしまいますよね。こうした素人臭い不具合がいくつも見つかっています。これは私の経験不足に依るところが大きいです。元々はデザイナーで自分用のインハウスツールを作ることからプログラミングを憶えたので、生粋の凄腕プログラマーには及ばない点が多いです。
社内で使うことを目的に開発されたインハウスツールではこうした不具合は珍しくないのでインハウスツールを使い慣れた人なら回避策を自分で見つけられると思いますが、一般の方にそれを期待するのも無茶な話です。少しずつ改善して行きますので、よろしくお付合いください。「ゲド戦記」から「コクリコ坂から」に一日も早く変われる様に精進します。

欠点はあれども販売中
http://www.retemo.jp/jp/roleplay/
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リスニングと独り言と有機的反復(外国語習得法とReTeMoロールプレイの関係) [外国語習得支援]

昨今は会社の公用語が英語になったり、外国語習得の必要性に迫られている人は増えている様ですね。まあ、私もその1人なのでこんな記事を書いているわけだし、アプリまで作っちゃったんですけどね。
さて、今回は「第二言語習得論」と、私のアプリ「ReTeMoロールプレイ」の関係について書いてみました。(母国語との関係についての話が抜け落ちてますが、それはまた今度。)

まず基本的なことの確認ですが、「外国語(第二言語)習得」というのは単に知識を溜め込むことではなく、「外国語の内容を理解し、外国語で考える」ための言語回路を脳内に作ることです。神経回路を作るということで、学習ノウハウ本には、ひたすら練習を繰返すスポーツの世界を彷彿とさせるような、ストイックな学習法が並んでいます。そんな中から少しでも楽をする方法を探って行きましょう。

リスニング中心の学習は確かに有効....ただし...
「ヒアリングマラソン」とか「スピードラーニング」とか、やたらと増えている「聞き流し系」の教材が採用している「リスニング中心」の学習法は確かに効果が高い様です。最近私は外国語習得のノウハウ本を連続読破していたのですが、その殆どの本がリスニング中心の学習をすすめています。さらに「外国語学習に成功する人、しない人」という本等には、第二言語習得法の研究者達によって聴覚中心の学習法が一番効果が高いことが確認されている旨が記されています。ただし、単に聞けば良いというのではありません。「自分でも話す必要性を感じる」状況下で、”自分のことと関連付けながら”聞かないと、高い成果が得られないそうです。

バイリンガルの中には「受容的バイリンガル」と言って、相手の話は100%理解できるけど自分では上手く話せない人々もいます。これと同じで、どんなに優れた教材でも、ただ聞き流すだけでは外国語を使いこなせる様にはなれません。おそらく結果を出している「聞き流し」教材には、名前とは裏腹に「話す必要性」を感じるような、あるいは「思わず話したくなる」ような工夫が沢山されているのだと思います。

これを自分で意識的にやるには「外国語を使って話す内容を考えている状態」を自ら保つ必要があります。これはかなりハードそうですね。ただしアプトプット、つまり話すことは必須ではなくて、話すにしても量は少しで高い効果が得られるそうですから、独り言で十分です。ノウハウ本でも外国語の独り言を薦めている本はたくさんあります。「リスニングと外国語の独り言を組合わせて練習する」これなら会話練習よりは、ずっと楽です。


記憶力も必要
第二言語習得法の研究によると、外国語が上達する人たちの特徴の一つに「記憶力が良い」というのがあります。有名な演説等を暗唱できる人のほうが外国語が上手くなるそうです。そう聞くと「結局は才能かよ」っと言いたくなりますが、大丈夫、記憶力を高めるノウハウというのも研究されています。年を取って記憶力が落ちてきてからも使えるノウハウは「知っていることと関連付けて憶える」「徹底的に繰返す」などです。結構、強引ですね。他にも、「ストーリー(流れ)の中で憶える」「五感や感情をフル動員する」学習などが記憶の定着率を上げる工夫として知られていて、こちらはそれほど強引ではありません。世間ではこっちの方が好まれるでしょうね。ですが、文法や慣用句などは集中的に学ばないと身に付きにくいので、ここは潔く強引な方法も使いましょう。

とはいえ、極力無駄な努力はしたくないし、無駄な時間も使いたくありません。
それには私が作った語学学習専用のオーディオブックプレーヤ「ReTeMoロールプレイ」http://itunes.apple.com/us/app/retemo-role-play/id453383375?l=ja&ls=1&mt=8&ign-mscache=1が役に立ちます。「ReTeMoロールプレイ」は一言でいえば「再生箇所を絞り込む方法を多数提供する」ソフトです。例えば1文だけを繰り返し再生したり、特定の役(キャラクター)だけ再生したり、日本語を飛ばして英語だけを繰返したり、学習効率を上げる様々な工夫ができます。教材の中で集中して聞く必要がある箇所、あるいは繰返す必要があるところは限られていますから、普通に繰返すと中だるみするのですが、それを最小限に抑えるのに有効です。

ReTeMoロールプレイの他にも、世の中には「倍速再生」とか「AB区間リピート」とか「○○秒巻き戻し」とか、反復学習用の機能を搭載しているオーディオプレーヤがたくさんあります。これはこれで便利ですが、私に言わせればこれらの機能は機械的で無機質です。1960年代から1990年代初期にかけての外国語学習法は「形式主義」と呼ばれ、文法などのパターンを中心に教えるやり方でしたが、この方法の効果が薄いことが研究により明らかになり、今は文中のメッセージに注目する教授法に変わってきています。オーディオプレーヤの効率化機能だって、もっと中身に注目すべきです。一文一文、内容や話手に注目することは機械の扱いに慣れることより大事なことです。

それに、このアプリの目玉機能である「ロールプレイ再生」は自分で話すことを前提とした機能です。例えば、台本の読み合わせの「相手役」をアプリにやらせたり、あるいは自分のセリフだけを抜き出して「耳コピー」する時に使うなど「役者さん御用達」になりそうな使い方ができます。この機能群は、既存のリスニング素材に「発話の必然性」を加えることができます。つまり、最新の語学教育理論に基づいて作成された高価な「聞き流し専用」教材を買わなくても、使い慣れた教材に同じような効果を持たせることができます。これって実はスゴいことです。(さすがに内容の面白さまでは変えられませんがw)

さて、今回のまとめです。
外国語習得にはリスニング中心の学習が一番楽です。
ただし独り言でも良いので自分で話すことを心がけましょう。
ロールプレイ再生機能は「お芝居」形式で話す練習に使えます。
記憶力アップには反復練習が効果的です。
ReTeMoロールプレイの「再生箇所絞り込み」を活用して更に効果的にしましょう。
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文法とルールと習慣 [外国語習得支援]

それはホントに些細な違和感だった。たぶん、外国語習得法について書かれた書籍を読み漁っていなかったら私も気にしなかっただろう。
「文法はルールなのに何で言語学者ですら説明できないことが多いのだろう?」という問に関する答えを、我々は何となく感覚的に知っている。だから普段は疑問にすら思わない。でも、改めて考えてみると色んなことが見えてくる。

結論から言うと文法は厳密にはルールではない。自然言語の文法は習慣の積み重ねでできたもので、習慣や慣例はルールではないからだ。ルールとは、何らかの理由があって定められた“取決め”であって、必ず「原因と結果」等の因果関係を持つ。言換えると必ず「論理的」な説明がつく。文法には「法則性」や「原理」も含まれるがそれらは本能や習慣に端を発しており、そのため多くは論理では説明できない。

この混同に拍車をかけているのが習慣とルールの違いを、多くの人が理解していないことだ。これは教育にも現れる。例えば、学校では「法令(ルール)」は「習慣やシキタリ、慣例」の上位版のように教えている。確かに社会システムについては、これは間違いではないが、慣例と法令では、その成り立ちも仕組みも全く違うことを理解していないとトンデモナイ誤解を生み出すことになる。

話は語学の話から大きくそれるが、例えばこんなことがあった。....mixiの自転車系のコミュニティの1つで「自転車の法定速度」についての話題が持ち上がった時に、警察から直に聞いた「自転車には法定速度がない」という話を投稿した人がいた。もちろん自転車も車両だから自動車やバイクの法定速度を大きく上回るような無謀運転をしていれば捕まえて厳重注意をするらしい。私はこの話を読んで「なるほどな」と思っていたのだが、何と、この直後の同じ話題(スレッド)に「自転車は車両だから法定速度は自動車と同じ」と投稿した人がいたのだ。しかも「法律で決まっている」と主張しているのだから目も当てられない。確かに「自転車は車両」というのは法律に書かれているが、だからと言って「自転車の法定速度は自動車と同じ」という結論が導き出せるほど話は単純ではないのだ。

小難しい話になるが、一般に「法定速度」と呼ばれているのは道路交通法(道交法)で定められた規制速度のことをさす。道交法では道路の規制速度を決めるのは「その道路の管理者」と定めており、例えば国道なら国(国交省)が管理者である。管理者は規制速度を決めて、道路標識と道路標示でそれを交通者に示すことも定められている。

問題はここからだ。その「道路標識」と「道路標示」に関する条文には、但し書きとして「荷車や自転車を除く」旨が書かれている。つまり、自転車の規制速度を交通者に示す手段として「道路標識」と「道路標示」は使用できない。他に規制速度を交通者に示す方法がないから、実質的に自転車の規制速度は決めても無駄である。つまりルール上は「自転車の法定速度」を決めることが不可能なのだ。だからこそ警察も「自転車には法定速度がない」と認識した上で、実際には「自動車と同等に見なす」運用を行っている。そしてそれが慣例化しているおかげで誤解が誤解を生む事態になっている。

脱線ついでに今度はコンピュータ相手のプログラム言語について考えてみよう。プログラム言語では文法はルールである。論理的に説明がつく「完全な法則性」を持っているのはもちろん、各文法は必ず何らかの理由があって明示的に定められている。こうしたプログラミング言語の世界でも「デザインパターン」や「コーディング規約」など慣例や習慣は実はたくさん存在するが、文法とは明確に分かれている。それが自然言語との大きな違いだ。普段私はプログラミング言語を相手にしている性か、「文法はルール」と思っていたようだ。いや、元々理系人間で「世界は全て法則によって成り立っている」と考えていた人間だから、もっと根が深いか.....。

話を語学学習に戻そう。
我々が学校で英語を学んでいた1970年代〜1990年代は、外国語教育法研究の世界では「形式主義」の時代と呼ばれ、文法や語形等の「型」が重視された時代だった。その後の研究でこの方式には効果がないことが分かってきて、今はメッセージ(意味)の伝達に重点が置かれるようになっているらしい。それでも文法が意味の一部を担っている以上、文法学習が無くなることはない。

文法がルールならば論理的なつながりを学習することで憶えられるが、実際には習慣なのだからそうはいかない。法則性や相関関係を使った語呂合わせ的な学習は可能だが、それも付け焼き刃だ。習慣を習得する方法はただ一つ、習慣化することだけだ。「そんなの当り前だ」と怒られそうだが、私を含めた多くの外国語学習者が楽をしたくて、「習慣化」以外の画期的な学習メソッドの登場を待ち望んでいる。でも、「ルール」ですら、使いこなすには「習慣化」が有効だったりする。専門家も法令や自然法則、数学の定理等を一から組上げて思考したりはしないだろう。結局、「慣れ」に勝る「汎用的な効率化手段」は無いのだ。

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なぜ外国語学習支援ツールを作ったのか? [外国語習得支援]

なぜ私が外国語学習支援ツールのReTeMoロールプレイを作ったのか?

簡単に言えば「自分が必要だったから」です。もっとも、これは私が作るツール全てに言えることで、ある意味当り前のことです。もう少し詳しく状況を説明すると、このソフトの開発を直接思い立ったのは「iPhoneを買ったこと」「英会話教室(超初級)に通い始めたこと」といった状況が重なったせいです。ただ、語学学習用ソフトのアイデアは以前から持っていました。それは私が語学教材コレクターだったからです。

私のように語学の才能に恵まれない人間の中には、色んな学習法に手を出し、その度に本ばかりが増えて実際にはほとんど身に付かない語学学習本コレクターの人がいます。私を含む語学教材コレクターが語学学習産業を儲けさせていると言っても過言ではないでしょう。この負のスパイラルを抜け出すには購入した本を十分に活用して自分の血肉にするのが一番なのですが、とっくに学習ピークを過ぎていて、しかも勉強時間もろくに取れない中年がそこまで徹底するにはかなりの動機付が必要です。また、そもそも勉強法を知らないから落ちこぼれたのですから、やはり効率的な勉強法の習得は必須といえます。

動機は「海外に行く」とか「パッキン美女とお知り合いになる」とか「仕事で必要になった」とか、自分の集中力と持続力を高めてくれるものなら何でも良いのでしょうが、学習法はそんな簡単にはいきません。電車での移動などの空き時間にリスニング教材を聞くというお手軽学習法もありますが、都心のように電車が頻繁に停車し、大きな音で構内放送が流れている騒々しい環境では、聞き流していたら雑音にかき消されて何も頭に入ってきません。

それにリスニング素材は基本的に「聞取り能力」を高めてくれるだけです。単語の意味を解説してくれないし(解説が録音されているなら別だが)文法的な構造から生まれる意味も教えてはくれません。もちろん単語の意味を類推することはできるでしょう。でも文の構造を類推できますか?子供は構文を類推する能力を持っている様ですが大人は持っていない様です。例えば一つ一つの単語はわかるのに、連続すると全く理解できなくなったりしませんか?これは大人が文の構造を類推する能力を失っているからです。

ここでちょっと学術的な話をしましょう。
皆さんは「ピジン」と「クレオール」という言葉をご存知でしょうか?どちらも奴隷同士の言語を指す学術用語です。黒人奴隷が盛んだった時代、反乱を企てないように奴隷達は違う部族のものを集められて、お互いの言葉がわからない状態におかれました。その環境下で何とか奴隷同士がコミュニケーションをとろうとして生まれるのが「ピジン」です。ピジンは単語の寄せ集めで、時勢や仮定法のような文法を持ちません。ところが奴隷間の子供達が話す言語には文法が発生します。この子供達が話す言語をクレオールと言います。大人達はクレオールを習得することができなかったそうです。ピジンとクレオールは奴隷間だけでなく交通の要衝などで出身の異なる商人が集まった場合などにも発生しますが、どのピジンとクレオールでも両者は文法的な完成度が大きく違うのです。

この歴史的事実は聞き流し学習法の限界を示唆しています。すなわち大人が普通に聞き流しで言語を学習しても、文法を駆使した複雑な意思伝達は修得できません。これは大人が外国語を学ぶ際には文法学習が不可欠だと言うことを意味しています。そして、クレオールが話し言葉であることからもわかる通り、会話学習に於いてもある程度の文法学習が必要なことは間違いないでしょう。文法とは「単語の配置や変化についてのパターン」と「その変形意図」の組合わせですので、パターンを集中的に練習することで、ある程度の学習は可能なはずですが、なにしろ我々は学習ピークを過ぎた大人ですから子供以上に反復練習が必要です。ここで言う反復練習は学んだ文法を使って自分で文を組み立ててみることです。やれやれ大変ですね。

反復練習はとりあえず置いておいて、文法を学ぶことに話を戻しましょう。
我々中年は英語の文法をどうやって学べば良いのでしょうか?というより、どの教材を使えば良いのでしょうか?私もそれほど詳しいわけではありませんが、とりあえずCD付きで音声が入っているものが良いのではないでしょうか。言語は音声から始まるものですから、文法と言えども耳から入れる学習は効果的です。お勧めは田中茂範氏や大西泰斗氏が出している「文法の背景になっている思想」を解説してくれるタイプの教材です。これらは理解を深め、想像力を膨らませる手助けをしてくれます。とは言え1冊の本で解説できることには限度がありますから他の方の普通の文法書があっても良いでしょう。漫画ドラゴン桜とタイアップしたドラゴンイングリッシュ100とか、CDは付いていませんが「英語のトリセツ」シリーズなどは参考になりました。NHKの外国語講座のテキストも文法を扱う音声教材が沢山あるから活用すると良いでしょう。

ただし、これらの教材には弊害があります。それは日本語を使って解説されることです。外国語学習の際に母国語が介在ことの弊害は脳科学者、脳機能学者、言語学者等の専門家が盛んに訴えていますからご存知の方も多いでしょう。しかも英語は国際語ですから英語だけで文法を教える教材も充実しています。(地方ではamazon等の通販でしか買えませんが。)一方で英語で英語の文法を学ぶのは多くの学習者にとってハードルが高いのもわかります。そもそも習得すべきなのは文法の「パターン」であって、文法の「理論や用語」ではないから、留学したり英会話スクールでネイティブに習うのでなければ日本語で文法を学んでも問題ありません。そのかわり先ほどでてきた反復練習で文法を「修得」する際に日本語が混じり込むと、脳内に英語の回路が作られるのが阻害されます。英語に限らず外国語を習得するためにはその言語だけを使って考え事ができるように訓練すべきです。母国語はこの訓練の妨げになります。だから一度解説を聞いたら、後は日本語の解説を忘れてパターンだけを追うようにしたいものです。ここでようやく「主言語や副言語を消音したりスキップする」というReTeMoロールプレイの機能につながる要件がでてきました。(笑)

話が長くなったので整理しましょう。ReTeMoロールプレイには言語毎に再生をコントロールする機能があって、それは主に「音声素材中の日本語(母国語)」の部分をスキップして再生するためのものです。英語だけが入った教材ではなく、日本語解説が入っている音声素材を前提にしているのは、成人の語学能力の欠陥を補うのに、母国語の解説が助けになるからです。練習の意味を理解するまでは日本語で補助し、最終的には日本語を追い出して反復練習する、そんな学習方法をReTeMoロールプレイは可能にします。言換えれば、これが私が語学教材コレクターから脱出するために考えた最初の手です。


もう一つ、消音(ミュート)やスキップができる機能がReTeMoロールプレイにはあるのですが、それは製品名にもなっているロール(役柄)です。ロールは英会話教室での練習風景から生まれた機能です。私が通っている教室ではテキストに載っている会話をそれぞれの役に分かれて話す練習をするのですが、ロール機能を使えばオーディオブックにこの相手役の代りをさせることができます。また英会話教室ではネイティブのスピードに付いていく練習としてCDのある役柄のところだけ音を消して、代りに生徒がしゃべるということもやりますが、これも同じ機能が使えます。他の教室のことはわかりませんがNHKの語学講座などでも会話の一部をわざとブランクにして生徒がしゃべる練習をするシーンはよく出てきますね。そういうことにも使えるわけです。

これだと話す内容を自分で考えるわけではないので表面的な練習にしかならないんですが、実際にやってみると、なるほどネイティブのスピードについていくためにかなりの集中力を要します。同じくネイティブの発音やスピードについていく練習の「シャドーイング」と比べても、引っ張ってくれる音が無い分、負荷が高くなり、これはこれで良い練習です。

じつはこのロール機能がReTeMoロールプレイを作る直接のキッカケでした。弊社は元々CGアニメーションのための人工知能を構築すると言う難しい?研究をしていて、「役」という考え方に敏感だったんです。我々が研究しているCGアニメ用のキャラクターも「役」を演じることでアニメーションを作ります。語学学習用に役柄に色んな付加価値をつけることはそれと大して違わないはずで、「じゃあロールを基本単位とする語学学習ソフトを作ってみようか」と考えてReTeMoロールプレイを作り始めました。

もう一つ、ReTeMoロールプレイの大きな特徴として「自作自演」というコンセプトがあります。多くの語学学習用プレーヤは語学教材の出版元から出ていて、教材はアプリ内課金でネットから簡単に入手することができます。これはとても便利ですから、商売としてはこちらのやり方の方が儲けやすいことでしょう。ですがReTeMoロールプレイは語学教材の出版元とタイアップすることより、教材を既存の語学教材から自作することを第一に考えました。理由は便利過ぎるのも良くないと思ったからです。

結構、昔になりますが韓国の鄭 讃容という方が書いた「英語は絶対、勉強するな」というシリーズがベストセラーになったことがありました。この本はタイトルに反して最も原始的な語学学習法を推奨しています。つまり補助要素がいっぱい入っている現在主流の語学教育を捨て去り、まずは耳で理解し、それをそのまま文字として書き出し、英英辞書を引いて自分で添削し、文法に相当するモノもその過程で体得せよというのです。何と原始的で厳しい学習法でしょうか。確かに苦労をすれば人間、骨身に沁みますし、子供が言葉を覚える過程とほとんど同じですから一理ある方法だと思います。この学習法をそのまま実践する気には成れませんが、結局のところ語学学習というのは、同じようなことをできるようになるのが最終的な目標なのではないでしょうか?すなわち、自在に聴き取り、自在に話し、自在に書く、そこまで到達できたら確かに理想的です。そしてそこに至るには自分で苦労することも必要でしょう。至れり尽くせりの教材は確かにその場の理解を容易にしてくれるかもしれませんが習熟を促すものではありません。補助輪付きの自転車に乗っていてもいつまでも自転車に乗れるようには成らないのと同じことです。(最近は補助輪付きの子供用自転車も見かけなくなりましたね。)

それに、これまでもたくさん提唱されている外国語の学習方法というのは、本来、教材に使われている例文とは独立した存在です。言換えれば一つの例文を色んな学習方法で使い回せるはずなんです。例文は既存の教材から拝借して、学習法というか練習方法は自分で工夫する、実はそれが数々の語学の達人達が実践してきた方法ではないでしょうか?そうした工夫ができることこそ学習支援ツールのあるべき姿だと思います。

まあ、ぶっちゃけた話をすれば「手元に大量の教材がすでにあったから、それを活用したかった」という個人的理由ももちろん大きいです。将来的には語学教材の版元と組んで教材の提供をすることもやってみたいのですが、それでも至れり尽くせり、というより雁字搦め(ガンジガラメ)の教材ではなく適度の自由さと厳しさを併せ持った形にしたいですね。

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情念と混沌は友 [自分探し]

ミステリアスな私
たまに私のことを「ミステリアスだ」という人がいる。褒め言葉と受け取っているが、実際には困惑しているという意味も含まれているのだろう。
想像はつくと思うが、私は普段、意見を明確に表明するタイプの人間ではない。むしろ黙って観察するタイプだ。話慣れていないので、自分の考えを聞かれても言語化に時間がかかる。もちろん日々色んな言葉を耳にしているから、表面的な会話や借物の論理を口にすることはできるし、ヒラメキを言葉にすることもできるが、そうではない日常的な思考に上手く当てはまる言葉が見つからないことも多い。自分で昔、口にした言葉さえ、ぱっと出てこないことがある。でもイメージは掴めているのだ。自分でもこの状況はミステリアスである。

こうなったのにはいくつか理由がある。私は積極的な性格でもなかったから元々口数が少なかった。ただし、口にしないけど自分の意見は持っているし、持ちたいと思っているし、悪事や崩壊を黙って見過ごすのは嫌いだ。たぶん、この静と動のせめぎ合いが私なのだろう。口にしない言葉はやがて忘れられて情念だけが残る。情念は言葉よりも先に行動に変化する。

感性の本質
もう一つ、私の言葉を失わせている原因は「分からないものに対する姿勢」だろう。
アート系に身を置いていた時間が長い性か、それとも持って生まれた性分なのかはわからないが、私が一番重視しているのは感覚である。いや感性というべきか。またの名を「センス」と言う。センスを「微妙あるいは非言語的事柄に白黒着けさせる能力」と考えている人が多いが、私に言わせるとそれは「センスに依る判断」であってセンスそのものではない。また、瞬間的で直観的な判断力をセンスと考えることについても同様である。私が考えるセンスとは「秩序ある混沌を受け入れる能力」ということになる。例えば、何となく印象に残るとか、何となく一貫性があるとか、法則性は見えるとか、そうしたものだ。単なる混沌と秩序ある混沌の違いについては「複雑系」と呼ばれる科学分野で扱われているのでそちらを調べてもらうとして、ここでは「混沌を受け入れる能力」について話そう。べつに大したことじゃない。誰でも好むと好まざるに関わらずやっていることだ。現実を受け入れること、それだけである。ただし、他人や自分の偏った意見に頼るのではなく「事象そのものを受け入れること」という条件がつく。これは訳が分からなくてもとりあえず受け入れると言うことでもある。さて、できるだろうか?できなくてもやろうとするのが私にとっての感性である。

真実というのは中々姿を現してくれない。ましてやこの情報化社会、情報の洪水の中で本質に論理だけで迫るのは至難の業だ。何が必要な情報かを見分けるには「網羅的」かつ「的確な視点」での情報分析が必要になる。このうち「網羅的」というのがクセモノだ。網羅した情報の中には他人の「恣意的な雑音」が多く含まれる。そう、他人の意見は「雑音」なのだ。ふつうは自分と共鳴した意見は雑音ではなく、その人にとっての「金言」となるのだが、それもで真実や本質とは違う。真実と向き合いたければ、自分ではなく本質と共鳴する意見を見つけなくてはならない。そのためには混沌の中に一度自分の意見も捨てなくてはならない。つまり自分の意見すら雑音扱いするのだ。そして、そんなことを習慣にしているから自分の言葉すら忘れてしまう。

勿論、忘れてオシマイだったら、本質と共鳴する何かを見つけられなかった時に自我崩壊で病院行きになってしまう。だから最後は自分の意見をひろって帰ってくるのだが、この時に少しでも自分の意見が本質に近づいていれば、それがその人の成長になる。
理想的な先生がいれば、その人について行くことで一気に成長できることもあるだろうが、私みたいに天ノ邪鬼な性格の人間は、他人について行くというのがどうも苦手である。だから非効率でもチマチマと混沌へのダイブと這い上がりを繰返しながら成長する。苦しいように思われるかもしれないが時々大きなヒラメキが驚喜を運んでくるからやめられない。

リーダーシップをとることは困難?
まあ、人を導くにはあまり向かない生き方ではある。「オレについてこい」的なリーダーを期待している人は、きっと一緒に混沌にダイブして溺れてしまうことだろう。不慣れなことにつき合ってはいけない。不幸にも私のようなタイプをリーダーに持ってしまったら、道標を立てながら気長について行くことだ。混沌を友とするタイプは道を「線」で示すことはできないが、時々、混沌から姿を現して「点」を示すから、そこに道標を立ててさらに後ろからついてくる人を導く。それと点が示されるまでは、情報に優先順位を付ける等の手助けをすることだ。ただ待っていてはいけない。ダイブしている最中は周りが見えていないことも多いから放っておくと危険だ。良くない方向にリーダーが行かない様に補佐することは必要である。そうそう、道を造ることはあまり気にしなくても良い。道は人が増えるにつれて自然と見えてくるものだ。人を集めるのに「道を示す必要がある」という話もあるが、それは道標があれば何とかなる。(たぶん)

ここでいう道には組織の方向性、ワークフロー、それに論理などが含まれる。「論理がなぜ?」と思われる方も多いだろうが、論理には物亊の見方が付き物だ。視点が変われば論理は変わる。だから論理を重視することは真理を重視することとは違う。大事なのは視点と論点を重視することだ。人にはエゴがあるから、視点や論点よりロジックを重視してもロクなことにはならない。社会的、宗教的な論理がネジ曲がって行くことは歴史が証明している。墨攻の衰退、儒学のねじれ、免罪符...例を挙げれば切りがない。「情念と混沌」を友とするタイプはそうした歪みの影響を受けにくい。

論理を作らなくてはならない人へ
ところで先の、「道を造ることをあまり意識しなくて良い」と「道には論理が含まれる」と言う記述からは、論理的に「論理を作ることをあまり意識しなくて良い」という主張が導かれる。(笑)ただし、論理化を意識しなければならない人々もいる。それはデザイナーや企画系、広報系の人々で、何のことはない私の同類である。これらの人々は情念や混沌を友としながら、そこから切り出した視点やコンセプトを”出来立てホヤホヤ”の時期に他人に伝えなくてはならない。切り出しはヒラメキであって、ロジックではないのだが、提案を受けるのは論理で考える人たちなので、それに合わせる必要がある。

ただし、この手の話題になると、よく「理論武装」という言葉を耳にするが、正直私はこの言葉を使われるのが好きではない。理論武装はディベート(討論)では必須のスキルだし、偏見に対して威力を発揮する。が、感性から論理への翻訳、言換えれば「センスに言葉や学問的視点を与えること」とは別物である。理論武装とは「相手が取りそうな論点を予測し、それが無効であることを論理的に導く」そうした準備をすることだ。やらなければいけないのは「新しい視点の提示」であって相手の否定ではない。組織内部でディベートをできるなら翻訳と理論武装を同時にやってもかまわないが、それでも両者が似て非なるモノであるは理解しておいてほしいものだ。

そういう自分も翻訳を飛ばして理論武装だけしてしまうことがあるので自戒の意味も込めておこう。また、この翻訳作業は相手の立ち位置から新たな視点までの道を示すことが目的で、論理は脇役であることも覚えておこう。

さて、少しは私の中身がわかってもらえただろうか?
それでも私はミステリアス?だとしたらなぜ?(笑)
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